わが国では、稲作以前から里芋が栽培されていたこともあって、ズイキも古くから馴染みのある食材となっています。ズイキは、里芋の葉柄を栽培したもので、表面の色によって赤・白・青(緑)の三種類に分かれ、赤いズイキは主に八頭の葉柄で、柔らかなピンク色です。
白ズイキ(ダツ)は海老芋や里芋などの葉柄で、日が当たらないように栽培します。
青ズイキ(緑)はハスイモの葉柄で、切口が蓮根の様に無数の穴が開いていることからハス芋と名が付けられました。アクが無いので、和え物、酢の物、煮物などに最適です。
〔写真上〕赤ズイキの皮を剥き、酢水にさらしてアク止めをし、酢を少々入れた沸騰湯で茹でて、ザルに上げ、冷まして甘酢に漬ける。水漉しした卯の花を湯煎にかけて、菜箸5〜6本で混ぜ、砂糖、米酢、塩を少々加え、あまり煎りすぎずに、握ってまとまる程度で火から下ろす。
赤ズイキにて棒状に巻き締めて小袖寿司を作り、適当な大きさに切る。
〔写真右下〕白ズイキの皮を剥き、適当な大きさに切り裂き、流水に晒す。大鍋にたっぷりの湯を沸かし、大根おろし、鷹の爪を入れて茹でる。茹でた白ズイキは、ザルに広げてそのまま冷やしている間にアクが出てくるので、その後、水に晒すとアクが取れる(茹でてすぐに水に入れてはアクは取れない)。
水気を絞って、吸い地に漬けて鰺を含ませる。
卵黄に砂糖、塩、酢にて味を調え、2枚鍋にて黄味寿司を作り、白ズイキで巻き締めて小袖寿司を作り、適当な大きさに切る。
〔写真左下〕青ズイキの皮を剥き、ミョウバン水に漬け、水に晒してアク止めをして、おろし大根を入れた沸騰湯で色よく茹で、水に取って晒し、冷たい吸い地に漬けて味を含ませる。
大和芋の皮を剥き、ミョウバン水に漬けた後、蒸して裏漉しし、砂糖、塩、酢にて甘酸っぱく味を付け、2枚鍋で練り上げ、青ズイキで小袖に巻き締めて、適当な大きさに切る。
活け蛸の足を一本ずつ切り離して皮と足を削ぎ切りして、湯洗いにする。
赤ズイキの酢漬けと、叩きオクラを添えて盛り、土佐酢で勧める。
鱚は三枚におろして塩胡椒で下味を付け、小麦粉2、片栗粉1を合わせて両面に付ける。
余分な粉を落としてからサラダ油で揚げ、玉葱の薄切りとパプリカを一緒に、熱いうちに漬け込む。
鱧、蛸、鱸など夏の旬魚をハスの葉に涼しく又、美しく盛り付ける。
青ズイキは、ハス芋とも言われ、生で食べるとシャリシャリした食感が楽しめます。
8月(はづき)節は初秋ですが、月の半ばまでは1年中で最も暑さの厳しい月です。8日には「立秋」と言われてもまだまだ暑い、秋の涼気が待たれる月です。
東京では7月にお盆を迎えますが、地域によって違います。一般的に「お盆休み」と呼ばれるのは、8月13日〜16日を指しています。家族や親族が集まり、みんなで先祖の供養ができるといいですね。
「今年は戦後71年」です。ちなみに私も70歳になります。
杉浦 健治 料理長(2015/8/1)