日本、朝鮮半島南部を原産とする落葉性の低木で、日本では古くから山椒の実を潰したサンショウはワサビと並ぶ日本の代表的な香辛料で雄株と雌株があり、春に花を咲かせて雄株は果実を付ける。未熟な青い果実は佃煮などに利用されます。熟してはぜた果実の皮の部分を粉にしたものが粉山椒です。山椒の葉は「木の芽」と呼ばれ、吸い物や和え物に舌を痺れさせる清涼感のある辛みと独特の香りがあって和食には欠かせません。
サンショウの木は材質硬くほのかに良い香りがするので、すりこぎの材料としても有名です。
○木の芽焼き(鯛)
梨割にした鯛の頭を照り焼きにして、叩き木の芽を振りかける。
○木の芽和え(独活・筍・蛍烏賊)
白味噌、酒、みりん、砂糖、卵黄を弱火で練り上げて玉味噌を作る。木の芽をたっぷり当たって玉味噌を混ぜ、ほうれん草などの青寄せで色を補い、木の芽味噌を作る。
独活は皮を厚く剥き、乱切りにして酢水で洗い、ボイルした蛍烏賊と酢味噌和えに。
山椒の花が美味いのはとても短い期間です。保存には、綺麗にゴミや虫を取り除き、銅鍋に沸騰した湯でサッと茹でてから冷水に晒し、程良くアクが抜けたらザルに上げて水を切り、保存袋に入れて冷凍保存して1年間使用する。
○木の葉鍋
牛肉または若鶏と春野菜を酒八方出汁で炊き、花山椒を加えて小鍋仕立てで。
(牛蒡、長葱、筍、三つ葉、独活……)
実山椒は辛みと苦みが強いので茹でて水に晒し、酒、醤油、ミリン少々で佃煮に。
○鯛のアラ炊き
鯛の頭は胸びれをつけたまま捌き、強めにしもふりして冷水に取り、鱗を取る。
牛蒡の皮をこそげ取り、4cm長さに切り揃えて米のとぎ汁で半茹でにし、心を抜く。
煮汁の調味料は好みに応じて変えるが、甘辛さを少し抑えめにして煮汁が少量残る程度に煮詰め器に盛る。残りの煮汁に実山椒を少量加え、ひと煮立ちさせてアラ炊きに掛ける。
五月(皐月)青葉若葉の色がすがすがしい今日この頃です。新社会人には、新生活と現実のギャップを感じ始めている頃であり、「趣味やスポーツ」でリラックスできることをしましょう。
去年買った山椒の木が元気に育っていますが、二鉢とも雄だったので、雌を仕入れないと・・・。
今年も越前の鷹巣沖に、のっこみ鯛を釣りに行ってきます。
杉浦 健治 料理長(2015/5/1)