日本のナスは、中国の華北から朝鮮半島を経て北陸地方に伝わった丸ナスと北九州に伝わった長ナスが基本になって各地に広がり、それぞれの環境や好みに適した地方品種ができました。
現在は形、色、大きさの違うさまざまなナスが有り、形の上では丸、卵、中長、長、大長に大別されています(本来6月が旬ですが、1年中あります)。
焼き物、煮物、揚げ物、漬物など、料理用途の幅広い野菜で、特に油との相性が良く、焼き物、煮物にする場合でも、下揚げしてから調理すると美味いです。
ナスは直火で焼き、皮を剥ぎ、粗く捌き、西京味噌に同量の白当たり胡麻を混ぜ、寒天とゼラチンの溶かし汁を混ぜ合わせて味を調え、流し缶に捌きナスを散らして入れ、冷やして固めて、適当な大きさに切り分ける。天盛(糸ウニ)
ナスは少し厚めに皮を剥ぎ、皮はミョウバン水に塩少々を混ぜた中に2時間くらい漬けてから、ミョウバン臭さを洗い流して八方出汁でサッと色よく煮て冷まし、流し缶に敷く。
ナスの身は、水に晒してから八方出汁で煮含め、冷めたら裏漉ししておき、吉野葛で胡麻豆腐を作る要領でナスの身を入れて練り込み、先の流し缶に流し込み、よく冷やして固める。
※クジラの部位で皮クジラを見立ててカラシ味噌を添える。
ナスを桂剥きにして細く打ち、薄い塩水に漬けた後、水気を取り、吉野葛を漬けてサッと揉み、熱湯にて湯をして素早く冷水に落とす。
ジュンサイを加えて器に盛り、吸い酢で進める。
米ナスは縦半分に切り、切り口に亀甲包丁を入れて針打ちし、フライパンにサラダ油を多めに入れて、先に切り口を両面焼きにし、落とし蓋に銀ホイルを被せてナスを抑えて油を切り、甘辛ダレ(酒、砂糖、醤油、たまり)を少し掛けて、鰹節をたっぷり添える。
賀茂ナスはほとんどが露地栽培されているので出回る時期も限られている。
賀茂ナスの中をくり抜いて釜にし、ミョウバン水にてアク止めした後、油霜する。
身は適当な大きさに切って、サラダ油で揚げ、熱湯を掛けて油抜きする。鍋に蕎麦出汁と大根おろしを入れて火にかけ、車海老、パプリカを加え先のナスの釜にきれいに盛る。
1年の6番目の月陰暦ではこの月を水無月(みなづき)と言います。初夏から仲夏の季にあたり、中旬には梅雨入り、下旬には年中で最も長い日、夏至がやってきます。
田植え時で麦の色づく麦秋の季節でもあることから、この季節の若いスルメイカは麦烏賊と言って、柔らくて美味いです。
杉浦 健治 料理長(2015/6/1)