菊そのものは古代より中国では延命長寿の花として、菊茶、菊花酒、漢方薬として飲まれていました。その中でも食用菊は苦みが少なく、花弁を大きくして品種改良され、日本でも食用菊として現在も栽培されています。
日本でポピュラーなのは2種で、山形では「延命楽(もってのほか、もって菊)」、新潟では「かきのもと」と呼ばれ、明るい赤紫色の中輪種で酢の物などの料理に使われます。「阿房宮(あぼうきゅう)」は青森県八戸産、黄色の小輪種で八重咲。花食の他に刺身などの料理のツマや飾りなどにも使われています。
重陽の節句(9月9日)、菊の節句に飲む酒。
菊の花を浸した日本酒で長寿の願いを祈る。
食用菊は酢を少々入れて、菊菜は塩を少々入れてから茹で、水に取ってからザルに上げておく。
黄菊、紫菊、菊菜は水分を絞って野菜八方地に浸して味を付けてから、それぞれを良く絞り、海苔できれいに巻き、適当な大きさに切る。
カボスを菊花になるように包丁目を入れて二つに割り、中の種とワタを取る。
薄塩を当てて、昆布〆した小柱と黄菊を土佐酢で合わせて、カボス釜に盛りイクラを添える。
茹でた紫菊にアラレ長芋、トンブリを混ぜてカボス酢で味を調えて釜に盛る。
甘鯛はきれいに水洗いをしてから三枚おろしにする。腹骨をかき取り、中骨も取り、塩を当て適当な大きさに切り、昆布の上に乗せて酒を振り、強火で10分程度蒸す。
卵白を泡立てて泡雪を作り、茹でた黄菊の花と占地茸(シメジ)三つ葉を泡雪に加え、塩を少々加えてから薄く味を調え、器に移した甘鯛の上に乗せ、サッと蒸し上げて薄くず餡をかける。
菊の花は水洗いして、菊全体に小麦粉をまぶし、薄めの天ぷら衣にてカラリと揚げる。
香りが良くて季節を感じるには良いと思う。菊の葉も天ぷらにして添える。
9月(長月・菊月)、この月は気象の変動が大きいことで知られてますが、今年の8月は雨や台風も多く、気象変動の激しい月でした。
今月は敬老の日やシルバーウィークと言われて大型連休があるが、お年寄りは毎日が日曜日の人が多いです。現役の人々の大型休息日であると思います。
釣り日和の季節になってきましたが、平日になるべく行くようにしています。
杉浦 健治 料理長(2015/9/1)