夏の涼味のはしり、じゅんさいは食感を楽しむ素材。
多年草の水草(スイレン)若い葉とそれにつく茎は、ゼリー状の粘液で覆われ、これを摘み取って食べる。粘液が多いほど品質が良い。歯触りとのど越しの良さが身上なので、持ち味を殺さないように、あまり手をかけない。
三枚におろした鮎魚女の身は、身の方から三ミリ間隔位に包丁目を入れて骨切りして五枚落としにする。両面にうす塩を振り、しばらくして吉野葛をまぶして余分な粉を払い落とし、熱湯に塩少々入れさっと茹でる。薄菜は熱湯にくぐらせて冷水に落として色出しをする。
大根を桂むきして茹でてから水に晒して年輪状に巻き、吸い地に含ませる。
椀に薄菜と鮎魚女、年輪大根は薄く切って水輪に、蛙に見立てた天豆を盛り、熱々の吸い汁を張って、梅肉を添える。
根芋は、下の硬い部分を切り捨て、縦に4つ割りし、大根おろしを入れた湯で茹でる。
のちザルに上げ、冷めてから水に晒し、揃えて3〜4カ所結んで、薄口八方出汁にて味を含ませ冷やしておき、別に干子を酒に浸して水であぶり、細切りにして根芋と和える。
※茹でた根芋は、ザルに上げ冷ましている間にアクが外に出てくるので、その後水に晒すとアクが取れる(茹でてすぐ水に入れては、アクは取れない)。
青豆は茹でて裏ごし、馬鈴薯も蒸して裏ごし、2対1に合わせて滑らかな生地で青梅型に。
人参は、丸く型どり出汁に梅酢を加えて味を調え、梅干しに見立てて煮上げる。
生の玉蜀黍の皮と毛を取り、塩を振って蒸し器にて蒸す。別に魚のすり身を卵白と昆布出汁で伸ばして塩味を付けておく。玉蜀黍の身をバラさないように桂むきの要領でむいて、巻簾に裏返しに並べ、すり身を巻き上げて蒸す。冷やして固まってからバター焼きにする。
6月(水無月)、衣替え、多くの会社では株主総会…父の日もある。
我が家では、母の日に比べて父の日は忘れがち、そう思う今日この頃です。
今月は祝日が一日もない月で仕事好き・勉強好きの人にはピッタリの月である。
私は、毎日が日曜祝日のようなものでうらやましい限り、食中毒にはくれぐれも気をつけてください。
杉浦 健治 料理長(2014/6/1)